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はじめての海外POD:作って売るまでの流れ

在庫を持たずに、注文が入ったら1個から作って届けてもらう「オンデマンド印刷(POD)」。海外のサービスを使うときに、最初に知っておきたい仕組み・入稿・お金の考え方をまとめました。

PODとは

POD(Print on Demand)は、注文が入ってから商品を1個ずつ印刷・製造し、購入者に直接発送する仕組みです。作る人はデザインを登録しておくだけで、在庫を持つ必要がありません。そのかわり、1個あたりの原価は大量にまとめて作る場合より高くなりやすく、送料も注文ごとにかかります。

海外のPODサービスの多くは、登録は無料で、注文が入ったときに商品代と送料を払う仕組みです。たとえば Printful・Printify・Gelato はいずれも無料プランがあり、割引などがつく有料プランも用意しています(比較表)。

作って売るまでの流れ

  1. サービスと商品を選ぶ:作りたい商品(Tシャツ、マグ、ステッカーなど)と、加工方法(DTG・刺繍など)、届け先の国に対応しているかを公式ページで確認します。
  2. 入稿データを作る:商品ごとの印刷範囲と推奨解像度に合わせて画像を書き出します。入稿チェッカーでピクセル寸法や実効DPIを確認できます。
  3. 原価と販売価格を決める:商品原価・送料・販売先の手数料を分けて計算します(原価計算ツール)。
  4. 販売先とつなぐ:自分のネットショップやマーケットプレイスと連携するか、自分で注文を入れます。連携できる販売先はサービスごとに違うので、公式の対応一覧を確認してください。
  5. 注文 → 製造 → 発送:注文が入るとサービス側で製造・発送されます。問い合わせや返品の扱いも、各サービスの規約を事前に確認しておきます。

サンプルを自分あてに注文して、色や仕上がりを確認する方法もあります。サンプル注文の割引や条件は各サービスの公式ページで確認してください。

サービスの3つのタイプ

同じ「PODサービス」でも、製造のしかたが違います。公式に説明されている仕組みで分けると、次のようになります。

タイプ例公式の説明から分かること
自社の拠点で作るPrintful自社の生産拠点で製造・発送。日本の提携工場での生産も2020年に発表されています。
提携工場(プロバイダー)を選ぶPrintify提携するプリントプロバイダーの中から選んで作ります。価格・送料・印刷範囲はプロバイダーごとに違います。
届け先の近くで作るGelato32か国の提携工場から、届け先に近い場所で生産。公式ヘルプでは日本も生産国に入っています。

Printful と Printify の統合(合併)が公式に発表されています:Printful は 2024年11月5日、Printify との対等な立場での合併を発表し、両ブランドは当面それぞれ維持するとしています。Printify も公式ブログで、両ブランドを維持しながらの統合に触れています。このサイトでは2社を別のサービスとして比較していますが、同じグループの会社である点に注意してください。今後、仕組みや条件が変わる可能性があります。(公式発表、2024年11月5日)

入稿画像の基本(解像度・透過・色)

解像度は「ピクセル数 ÷ 印刷サイズ」で決まる

印刷の細かさは、画像のピクセル数と、それを何インチの大きさで刷るかで決まります。これを実効DPIと呼びます。

実効DPI = 画像の幅(px)÷ 印刷する幅(inch) ※1inch = 2.54cm

たとえば幅 1800px の画像を幅 12inch で刷ると 150DPI、幅 3600px なら 300DPI です。画像編集ソフトで「72dpi」「350dpi」と設定した値は、ピクセル数が変わらない限り、印刷の細かさを変えません。

各サービスが公式に案内している推奨解像度は次のとおりです(2026年10月5日確認)。

サービス推奨解像度形式ファイルの上限
Printful150DPI以上(ステッカー・スマホケースは300DPI)PNG・JPEG(DTGは透過PNG)200MB
Printify300DPI推奨(レギンス・毛布など大判は120〜150DPI)JPEG・PNG・SVGJPEG/PNG 100MB・SVG 20MB
GelatoDTGは最低150・推奨300DPIPDF・PNG・JPEG など上限なし(公式記載)

透過(背景を抜く)

Tシャツなどにデザインだけを刷りたいときは、背景を透明にした PNG で入稿するのが基本です。JPEG は透明を持てないので、背景の白や色まで四角く印刷されることがあります。Printful と Gelato は、DTG(衣類へのインクジェット印刷)では半透明の表現を避けるよう案内しています。ぼかしや影を使ったデザインは、各サービスの注意事項を確認してください。

色(sRGB)

Printful は DTG のファイルを sRGB で作るよう案内しており、Gelato もアパレル・マグ・ポスターなどは sRGB を推奨しています。印刷所向けに CMYK で作ったデータは、使うサービスの指定に合わせて書き出し直します。

日本語の文字を入れるとき

文字を入れたデザインは、使ったフォントが入稿先にない場合に備えて、画像(PNG)として書き出してから入稿すると表示が崩れません。細すぎる線や小さすぎる文字はかすれやすいので、刺繍の場合は特に、各サービスの最小の太さの指定(Printful は刺繍の最小の太さを案内しています)を確認してください。

原価と利益の考え方

1個売れたときに手元に残るお金は、次のように分けて考えます。

参考として、Bella+Canvas 3001 の Tシャツは、Printful の商品ページで US$11.50、Printify の比較ページで US$11.40 と表示されていました(2026年10月5日確認)。これは送料・税を含まない、サイズや色で変わる表示価格です。実際の金額は各サービスの管理画面で確認してください。

原価計算ツールで試算する

送料の考え方

PODの送料は、商品代とは別に、注文ごと・届け先の国ごとに決まります。2個目以降は追加料金が安くなる仕組みのサービスもあります。たとえば Printful の配送料金ページには日本あての料金が載っており、一部の商品は日本へ発送できないと書かれています(Printful 配送料金)。

また、販売先(ネットショップやマーケットプレイス)で購入者に表示する送料と、PODサービスに払う送料が一致するとは限りません。Printful は、Etsy 側と Printful 側の送料が違う理由をヘルプで説明しています(Printful ヘルプセンター)。原価計算では「購入者から受け取る送料」と「サービスに払う送料」を分けて入れてください。

日本への発送について公式ページで確認できた状況(2026年10月5日時点):

作品の権利と注意点

このガイドは各社の公式ページの記載をもとに整理したもので、商品を実際に注文して試した結果ではありません。出典はトップページの出典一覧にまとめています。